ポケグレにヌカ・グレネード。

ノゾミガタタレター

「こんなの誰にでも書けるよ」という人には絶対に書けないケータイ小説『あたし彼女』。

第3回日本ケータイ小説大賞:あたし彼女
http://nkst.jp/vote2/novel.php?auther=20080001


正直読む気はあんまりなかったんです。ただタイトルと、最初の文章だけで「なに・・・これ・・・」と批判するのは簡単なんだけど、最後まで読んでみないと分からない部分もあると思ったので。まぁ最後まで読む、という苦行に入ったのが・・・5時間くらい前。で2時間弱で読了。疲れた。


ちなみにいちいち次のページのリンクを押すのが億劫だったので。Fx3でAutoPagerizeを導入。・・・大分読むのが楽になりました。対応してて良かったAutoPagerize(笑

AutoPagerize ? Userscripts.org
http://userscripts.org/scripts/show/8551

トーリー

100人斬りを自称してたニートが真実の愛に目覚めましたが、金持ちの彼氏は昔死んだ婚約者と彼女をダブらせていただけでした。なんやかんやあって彼氏と同棲始めたんだけど、彼氏の両親に反対されて失言。仲直り出来ないままなんやかんやあって別れたんだけど、最終的には元通りになりました。スイーツ(笑)


お話の内容自体は普通です。思ってた以上に普通。↑+2行くらいあれば全て書けますが、一応もしかしたらこれから読む人がいるかも知れないので若干割愛。
そもそもこう・・・あのー、前の彼氏共が寄って集って攻めてくる!→スイーツ(笑、みたいな、所謂『恋空』みたいな展開を予想して読んでいたので、それに比べるとどこまでも普通。多分、文体を変えて同じ内容を書いたら、普通過ぎる程の私小説となって、良くも悪くもここまでの話題を呼ぶ事はなかったでしょう。


アタシ



トモの彼女



だからさ



ねぇ



キスしてよ

(『あたし彼女』表紙より転載)


だからといって、「これ誰でも書けるよ!」とは全く思わない。少なくとも↑みたいなテキスト、俺には書けない。というか、この書き方の発想はない。そしてこの書き方であれだけのテキストを打ちこむ力はなかなかない。
もし同じストーリーの構想があったとしても、この書き方は思いつかないと出来ないもの。


ただ、この書き方ではテキストを読むのに紙媒体は全く適してないし、所謂『普通の』小説を読んでいる人々(俺含む)には読み続けるだけでも一苦労ではあると思います。あくまでPCブラウザ上、もしくは携帯電話上で読むからこその技法であり作品。それだけは間違いないでしょう。俺にはこれが書籍になる、その形式が全く思いつかない。独特の技法だけに、紙媒体で読むという旧来の方法に全くマッチしてはいない・・・かな。


あと、『普通の』小説のセオリー・技法を全て無視しているだけに。それに馴染んでいる人々に拒否反応が起こってしまう→数ページ読むだけで断念してしまう、のも致し方ないかとも思います。そもそもそういった層のことを考えてないんだよね、実際。あくまでケータイでケータイ小説を読む、そういった層しか狙ってない(そもそもそういった層も狙ってないのかも知れない)、そういったテキストなので。


まぁ。コレを読んだからといって他のケータイ小説を読もう!とは全く思いませんがw、少なくともこういったテキストの使い方もあるんだ・・・という点では非常に興味深いものだと思いました。私小説の枠からは出れないと思いますがね。せめて、視点が変わった時点で文章構造をがらっと変える、くらいの技巧を使ってくれれば「おおっ!」とは思ったんだけどね。


あとは・・・アレだ、主人公の口調があまりにもアレなので、気が付いたら柳原可奈子ボイスでテキスト再生され、吹き出しそうになる事必死ではありました。


点数?・・・これに?つかないねー。